葬儀社に採用された新卒1年目の社員の仕事内容について、当サイトの監修元であるセレモニア様の社員にインタビュー。仕事のやりがいなどもお聞きしました。
セレモニアは昭和24年から続く、川崎市に多数の式場「平安会館」を持つ地域密着型の葬儀社です。長年の経験を生かし、葬儀をトータルで担当できる人材の育成や葬祭ディレクターなどの資格取得のサポート
に力を入れています。
新卒1年目の杉沢さんは、大正大学 社会共生学部 社会福祉学科出身の22歳。趣味はスポーツ全般で、観戦はもちろん自分でプレーするのもお好きとのこと。サッカーについては、日曜日に社会人チームでプレーを楽しんでいるそうです。
大学生の頃に飲食業でアルバイトをしており、お客様とコミュニケーションを取るのが好きだった杉沢さん。それを機に、「もっとお客さんと親密にかかわる仕事がしたい」と思い、その究極のサービス業として候補に挙がったのが冠婚葬祭業でした。情報を集める中でセレモニアの説明会に参加し、入社に至ったとのことです。
葬儀があるときは出社後に、発注などが正常にできているかについて書類などで確認します。お寺さんをちゃんと配備できているか、火葬場までのマイクロバスが手配されているか、などですね。この作業にだいたい15分くらいかかります。
朝礼では、全体に共有することを各メンバーが少しずつ喋っていきます。たとえば葬儀があって、その担当が僕だった場合、葬儀の内容について皆さんに共有していく感じです。どの業務をどのメンバーが担当するか、という振り分けについても確認します。
朝礼が終わり、発注の確認を終わらせたあとは、実際に葬儀が行われる式場の最終確認を行います。昨夜お通夜があった場合は、確認作業はしません。昨今はお通夜なしの1日葬も増えているので、スタイルによって業務も変わります。
葬儀の開始時間はまちまちですが、このぐらいの時間から参列者様がお見えになるため、その案内を行います。また、喪主様がお寺さんに挨拶するための案内をしたり、我々がお寺さんと葬儀に関する打ち合わせをしたりと、業務を進めていきます。
葬儀が始まる前に、葬儀に参加される方全員に向けて、葬儀の流れについて5分ほどで説明する前説を行います。
葬儀が始まりましたらお寺さんが入場して、我々が式の進行をしていきます。いわゆる司会業という形です。葬儀自体はだいたい1時間くらい続きますので、12時くらいまで進行役を担います。
葬儀が終わりましたら、お花の祭壇の場合はお花でのお別れを行います。そちらが終わりましたらご出棺という形で、喪主様と参列者の方々を火葬場まで送り出します。
手が空いたスタッフから順番に休憩を取ります。時間はその都度まちまちです。
休憩後は、先ほどまで行っていた葬儀の書類整理を行います。また、葬儀の依頼が入りましたら、ご遺体の搬送にも向かいます。葬儀をどういった式にするか、という打ち合わせも行います。お客様がご来館された場合は、2~3時間ほどかけて打ち合わせをします。お客様とお会いするのは打ち合わせが1回目、葬儀の前日に行う納棺式が2回目、葬儀当日が3回目といった具合です。
定時は17時30分となります。お通夜がなかった場合は、定時か18時くらいには退社できます。葬儀の受注があった場合は、マイクロバスやお寺さんの手配などをその日のうちに行うため、30分~1時間くらい残業することもあります。
お通夜が入っている場合は、18~19時くらいから式が始まるため、遅いときだと20~21時くらいの退社です。
朝礼が終わり、発注の確認を終わらせたあとは、実際に葬儀が行われる式場の最終確認を行います。昨夜お通夜があった場合は、確認作業はありません。今はお通夜なしの1日葬も増えているので、スタイルによって業務も変わります。
葬儀の準備として、祭壇の設営を行います。祭壇の種類にもよるんですけど、お花の祭壇の場合は業者さんが来て組んでもらいますが、一般的な木の祭壇の場合は我々スタッフで組みます。
そこから参列者様が来館するまでの打ち合わせとして、火葬場で食事をする場合はその個数の確認を行います。また、お花の祭壇の場合はその花を棺に入れるんですが、その一部を棺に入れず、我々が自宅に届けることもできるんです。その有無に関しても確認を行います。
葬儀が終わりましたら、お花の祭壇の場合はお花でのお別れを行います。「こちらで最後の場となりますので」と参列者の方にもご案内し、お花を決めて棺の中に積ませていただきます。そちらが終わりましたらご出棺という形で、喪主様と参列者の方々を火葬場まで送り出します。お花を棺に入れるところからご出棺まで、20~30分というところでしょうか。
出棺後は、火葬場に我々のスタッフがいますので電話で引継ぎを行います。ただいま出発しましたという連絡と、車列について伝えます。霊柩車→お寺さん→一般車といった感じです。
その後は、火葬場で解散するパターンもあれば、会館に戻って最後にひと言述べて解散するパターンもあるので、ケースバイケースで対応します。火葬場で解散するパターンですと、引き継ぎが終われば我々も業務終了なのですが、会館に戻ってくる場合はその対応を行います。
たとえば、「故人さんは何がお好きだったんですか?」と聞くことで、内容によっては式の形も変わってくることがあります。これはメモリアルな葬儀と言いまして、たとえば故人さんがゴルフがお好きだった場合、ゴルフバッグなどを式場の一角に飾ることもできるんです。コミュニケーションを通して、こうしたニーズを引き出すことも大切だと思っています。
その人にとって、葬儀って1回しかないと思うんです。ですから、やはり悔いのない葬儀にしていただくために、お客様のニーズというものを大切にしています。
そのために一番大事にしているのが、打ち合わせの際にしっかりお話するという点です。新卒で入社してまだ受注も少ししか経験しておらず、これからっていう感じなのですが…。セレモニアでは入社後の研修はもちろん、配属後も先輩のサポートを受けながら葬儀を学べます。今は先輩の打ち合わせに同席し、受注を学んでいるというところです。
お客様のニーズに応えるためには、先方が質を求めているのか、それとも価格を重視しているのか、といった部分を早めに察知することも大切だと思います。たとえば価格を気にしている方に対しては予算に合わせたプランを提案したり、質を重視する方にはこだわりのプランを提案したり、といった感じです。
葬儀はちょっとしたことがクレームにつながることもあるので、些細なことでも気を使わないとならない部分が多いです。言葉ひとつにしても、たとえば葬儀の日程を決めるときに「最短でこの日にちとなります」などと言ってしまうと、お客様に「最短ってどういう意味ですか?」などとお叱りを受けてしまうこともあるんです。こういった気の使い方についても、業務を通じて覚えていくしかないですね。
あと、セレモニアは受注と施行どちらにも対応するので、覚えることがちょっと多いかもしれません。実は僕、就職する葬儀社を探しているときに「分業制はちょっとイヤだな」と思っていたんですよ。一括して、自分で全部やりたいと思っていたんです。
でも実際仕事としてやってみたら、葬儀をトータルで仕切れるというのは魅力的なんですが、新卒の目線から言うとなかなか大変だな…と感じる部分もありました。
お客様からの、心の底からの「ありがとう」という言葉を聞けることですね。軽い気持ちのありがとうではなく、本気の感謝の言葉を受け取れるというのが、仕事としてのやりがいに繋がっていると思います。
僕は施行を担当するようになってまだ2~3ヶ月というところなんですが、印象に残っているご家族様がいます。旦那様が亡くなってしまって、80歳くらいになる奥様が残されてしまったケースなんですが、式が始まる前に「どんな方だったんですか?」とかいろいろ話をしていたんです。奥様は結構ナイーブになってしまっていたので、あえて孫のような目線でお話を聞いていたんです。
式が終わったとき、奥様がわざわざ遠くから車を降りてこちらにいらっしゃって、「本当にありがとうございました」って言ってくださったんです。そのとき、この仕事を選んで良かったな…としみじみ思いました。
今は、1人で受注の業務をすべて行えるように頑張っています。あとは敬語の勉強ですね。今まで敬語は使ってきていたんですけど、やっぱりちゃんと学びたいなと思って、本を買って読んでいます。
葬儀の知識については、仕事の中で覚えることができているので不安はありません。分からないことはすぐ先輩に聞けるなど、風通しの良い会社なので。
将来的には、リピートされるような接客ができるようになりたいです。お客様に「もう1回杉沢さんにやってもらいたい」と思われるように、しっかりと知識を身につけて、1人1人に寄り添った対応ができるようになりたいと思っています。
新卒で同期の子がいたんですけど、とてもマジメで優しい性格だったんですが、お客様に対して深刻になりすぎてしまった結果、辞めてしまいました。相手に寄り添いながらも感情移入をしすぎない人が、この仕事に向いていると思います。
だからこそ、広くコミュニケーションが取れるような能力の高い人は、この仕事でそのスキルを活かせると思います。年齢を問わず誰とでもコミュニケーションできて、たくさんの方と関わっていきたいという方は、葬儀の仕事に向いていると思うので、ぜひ目指してみて欲しいと思います。
葬儀社に新卒として入社される方の多くがそうであるように、セレモニアへ就職するまで葬儀の作法をまったく知らなかったという杉沢さん。ですが会社の研修や先輩についてのお仕事を続ける中で、基本的な部分が身に付いてきたそうです。
仕事をする中で葬儀の作法以上に、お客様へ寄り添う大切さを実感し、「ニーズ」を考えて行動できるようになっていったという杉沢さんの姿から、葬祭スタッフの仕事は「想い」が重要であり、知識や経験はその後についてくるのだということが伺えます。
セレモニアは昭和24年から続く、川崎市に多数の式場「平安会館」を持つ地域密着型の葬儀社です。
長年の経験を生かし、葬儀をトータルで担当できる人材の育成や葬祭ディレクターなどの資格取得のサポートに力を入れています。
社員一人ひとりの想いに応える、風通しの良い社風が魅力です。