未経験から葬儀業界へ転職することは可能です。葬儀運営には様々な業務や要素が必要となるため、これまでどのような業界で仕事をしてきた方でも、きっとその経験を活かせることでしょう。
当ページでは、未経験から葬儀業界へ転職する際のポイント、葬儀業界の具体的な業務内容、実際に転職した人の声などについて詳しくご紹介しています。
結論から言うと、葬儀業界は未経験者でも問題なく転職できる業界です。むしろ、これまでの社会人経験を存分に活かせる業界と考えてください。「未経験だけど大丈夫かな…」と不安にならず、逆に自信を持って転職活動に臨みましょう。
もちろん、入社後に覚えなければならない専門知識や所作などは多くありますが、多くの葬儀社は研修制度が充実しているので安心です。先輩社員からのサポートなども受けながら、葬儀スタッフとして着実に成長していけるでしょう。
一口に葬儀業界務とは言っても、その業務の中身は多岐にわたります。たとえば、ご遺族とのコミュニケーションや葬儀の進行管理、関連スタッフの調整などです。業務内容の幅が広いからこそ、これまで携わってきた業種が何であれ、きっと役立てられるスキルがあるはずです。
たとえば、接客業だった方はご遺族とのコミュニケーション、総務畑を歩んできた方は進行計画や進行管理、マネージャー出身の方は全体的なスタッフ調整が得意ではないでしょうか。たとえ業界未経験者であっても、何らかの社会人経験がある方なら、まったく手も足も出ない業界ではないことが葬儀業界特有の特徴と言えます。
ご遺族はもとより、関係者(お寺、外部委託業者など)との円滑・迅速な連携を求められる仕事なので、これまでの社会人経験で培ったコミュニケーション能力をアピールしましょう。ホスピタリティの高さやコミュニケーション能力について、よく吟味される可能性もあります。
ご遺族の心に寄り添ったサービスを提供するためには、形だけの対応ではなく、心のこもった対応が求められます。面接時には、ホスピタリティの高さに自信があることを伝えましょう。
現場で想定外の事態が起こったとしても、柔軟かつ冷静に状況を把握して対応できる能力があることを面接官に伝えましょう。
亡くなった方の生前のご希望やご遺族の意向、宗派などに合わせ、葬儀に関するご遺族との打ち合わせを行います。事務的に打ち合わせを行うのではなく、ご遺族の気持ちに寄り添いながら打ち合わせを行います。
亡くなった方へ装束を着せたりお化粧を施したりなど、旅立ちに向けた各種の身支度を行い、ご遺族とともにご遺体を棺へ納めます。
祭壇の設営、焼香案内、弔問・参列者対応、宗教者様への対応、式の司会進行など、葬儀の準備から撤収までの全般を担います。
ご遺体を霊柩車で火葬場まで運ぶ業務や、ご遺族を火葬場までお送りする車の送迎業務なども葬儀業界者の仕事です。
ご遺族の気持ちに心から寄り添いながら円滑に式を運営することが、葬儀業界に求められる業務となります。
葬儀業界に限らず、転職活動をする際にはいくつかの具体的な準備が必要です。思い付きや勢い、情熱だけで転職活動を行うことは避け、冷静かつ計画的に準備を進めましょう。
最低限、業界研究や自己分析、転職後に必要なスキルの明確化、キャリアアップに役立つ資格情報、履歴書・職務経歴書の作成方法などは確認しておきましょう。
面接対策として、今までの社会人経験の棚卸をしておくことが大切です。ここに言う棚卸とは、「今までどんな仕事を経験したのか」「その仕事から何を得られたのか」「それらを踏まえ、将来は何をしたいのか」を明確にする作業のこと。
後述する「チェックリスト」が、そのまま棚卸の流れとなるため活用してみてください。また、葬儀業界に携わる人材に求められる共通の素養として、相手を思いやる心や心配りができる能力とコミュニケーション能力があります。面接の際は、常にこれらも念頭に置きながら受け答えすれば、面接官の心象も良くなるでしょう。
営業、接客、商品管理、総務、肉体労働など、今まで自分が経験した業務を一つ一つリストアップしてみましょう。
経験した業務を通じ、どのような知識やスキルを得られたのか、業務ごとに書き出してみましょう。
経験した業務と得られた知識・スキルに向き合い、今後も続けていきたいことを(今後は続けたくないことも)明確にしましょう。
上記3つの内容を葬儀業界へつなげるよう文脈を作ります。たとえば、「営業職を通じて顧客ニーズを把握するスキルが身に付いたので、今後も続けていきたい」ならば、面接でもその点に触れつつ、「営業で培ったスキルを活かし、ご遺族の心に寄り添いながら的確なサービスを提供できる」という文脈としても良いでしょう。
未経験から葬儀業界に転職をした、当サイトの監修元であるセレモニア様の社員にインタビューをしました。葬儀業界へ転職した理由や入社後に感じたギャップなどもお聞きしました。
中途入社1年目の堀口さんは、前職ではパチンコ店で勤務。
堀口さんのお父さんが葬儀社で働いており、そこから葬儀業界に興味を持ち始めたとのこと。
私の父が葬儀社で働いていたことが大きかったですね。父から話を聞いていくうちに「私もいつか関わってみたい」という気持ちが自然と芽生えてきました。
正直、最初は「接客ならパチンコ店での経験が活かせるかな」と軽く考えていたところもありました。実際に過去の接客経験が活きる場面もあります。ですが葬儀って、“大切な方を亡くしたご遺族と接する”わけで、まったく別世界なんですよね。すごく大変な場面ですが、そのぶん興味を持ったというか、やりがいを感じられるんじゃないかと思ったんです。
最終的にセレモニアを選んだ理由は、Hさんという、セレモニアで働いている方の存在がとても大きかったです。何度か葬儀を担当してもらったんですが、礼儀正しくて優しくて、「こういう人になりたい」という憧れがありました。資格や仕事の詳細はあまり分かってなかったんですが、とにかくHさんみたいにご遺族に寄り添う姿が素敵だと思ったんです。
転職するときは父に相談はしましたが、友人には特に言いませんでした。「自分で決めたい」という気持ちが強くて。結果として、セレモニアを選んだのは私の中では正解だったと思ってます。
最初に感じたのは、社内の雰囲気が「思ったよりフレンドリー」だったことですね。昔ながらの厳しい雰囲気、いわゆる昭和の体育会系みたいなイメージがあったんですが、入ってみたら良い意味で固すぎないところがあって、そこは少し意外でした。
ただ、肉体労働がそこそこあるのは予想外でした。例えば祭壇を組み立てたり、故人様をご安置する際、時には力が必要な場合もあります。また、ご遺体への浴衣の着付けまで担当したりもして、「ここまでやるのか」と正直びっくりしました。けれど、慣れてくると「こういうことも含めて葬儀なんだな」と思えるようになりました。
今は一人でお式を担当するわけじゃなくて、先輩のサブとして動いてます。ご焼香のご案内や、お式の準備をメインで担当してるんですが、前職の接客スキルはかなり活きてると感じます。立ち姿勢や目線の合わせ方など、パチンコ店時代にお客様対応で身につけたことが、そのまま応用できています。
気配りや声かけもそうですね。車椅子を用意したり、椅子を持ってきて「こちらにどうぞ」と案内するといったような細かな気配りで「ありがとう」と言われると、「あ、やっぱり接客やっててよかったな」と思えます。
今は社歴が浅いこともあり、業務のやり方に関しては勝手に手を出さないようにしています。私もまだ勉強中ですし、先輩方がやってることをしっかり見て学んでいます。ただ、私の強みでもあるお客様への気配りだけは、遠慮せずにやろうという姿勢を貫いています。
やはり「ありがとう」と言われたときがいちばん嬉しいですね。葬儀は、ご遺族にとっては本当に辛くて悲しい時間なわけで、そこで生まれる「ありがとう」はすごい重みがあります。お式が終わって「やりきったな」と実感と同時に、感謝のお言葉を聞くと「ああ、この仕事に就いてよかったな」と思います。
また、葬儀がある度に、どんな小さなことでも上司やお客様に言われたことを自分の糧にしていきたいと考えています。まだまだ自分は完成していないので、これからどんどん吸収して、成長していくつもりです。そのためにも、一番大事にしてるのは「目配り・気配り」です。落ち着きがないと言われても、色んなところを見回して、お客様が困ってることがないか、先輩が何か困ってないか常に気にかけています。そこが自分なりのこだわりであり、譲れない部分です。
正直、この仕事はきつい面もあります。肉体的にもメンタル的にも決して楽ではありません。でも、その分やりがいはとても大きいと思います。悲しんでいるご遺族のケアをすることで、「ちゃんとお見送りできた」と安心してもらえる瞬間があるんですよ。そこで交わされる「ありがとう」は、本心の感謝の言葉そのものなので、ズシンと心に響きます。
「葬祭ディレクターは究極のサービス業」と、セレモニア代表の鈴木が言っていたのですが、私も本当にそうだなと実感しています。葬儀はその人にとって人生1度しかありません。そこで人と人が裸の心で向き合って、本音のやり取りをする場面に立ち会えるのは、他の仕事には中々ない経験だと思います。
人と深く関わる仕事をしたい方、誰かの心に寄り添ってサポートしたい方には、ぜひ挑戦してほしいです。大変な面もありますが、だからこそ得られる大きなやりがいや成長があるので、未経験でも飛び込んできてほしいですね。私自身もまだまだ勉強中ですが、この仕事に出会ってよかったと心から思っています。
葬儀業界には多岐にわたる業務があり、未経験からでも転職が可能です。実際に働いていた業界や職種で培ったコミュニケーション力や進行管理スキル、接客経験などが大いに活かせるため、 「未経験だけど大丈夫かな…」という不安よりも「これまでの自分の経験が活かせるかもしれない」という希望を持って飛び込めるフィールドと言えるでしょう。
さらに、葬儀の現場では「ご遺族の想いを大切に受けとめる」ことが、何よりも重要になってきます。培った接客スキルやホスピタリティはもちろん、「相手に寄り添う姿勢」や「柔軟に対応する力」が大切です。葬儀社は、辛い気持ちを抱えるご遺族にこそ心のこもったサービスを提供する、そんなやりがいや感謝の言葉を得られる特別な仕事なのです。
下のページでは、堀口さんの勤める葬儀社セレモニアの魅力や採用情報をまとめています。葬儀業界に興味がある方はぜひご参考ください。
セレモニアは昭和24年から続く、川崎市に多数の式場「平安会館」を持つ地域密着型の葬儀社です。
長年の経験を生かし、葬儀をトータルで担当できる人材の育成や葬祭ディレクターなどの資格取得のサポートに力を入れています。
社員一人ひとりの想いに応える、風通しの良い社風が魅力です。