葬儀業界では様々なプロがいますが、その中でも終活やエンディングノート(終活ノート)の専門職として「終活カウンセラー」があります。
このページでは終活カウンセラーの資格や仕事内容などに関して解説しています。
終活カウンセラーとは、人が己の人生の最期をどのように迎えたいのか、多角的な視点で適切な寄り添い方を考えると共に、それぞれの相談者が抱える不安や悩み、葛藤などについて葬儀や終活の専門家として相談に乗る民間資格です。具体的には、一般社団法人終活カウンセラー協会が認定している資格であり、資格のグレードとして「2級・1級・協会認定終活講師」の区分があります。
終活カウンセラーの仕事は、相談者が死や人生について漠然と抱えている抽象的な悩みから、死亡時の手続きや相談者の死後に発生する相続、死亡保険の請求手続き、お墓の問題など、事務的・具体的な課題まで幅広く話を聞いた上で、相談者の状況に合わせたエンディングノートの作成や課題の解決策を一緒に考えることが役目です。また必要に応じて家族の他にも企業や自治体の窓口などと連携し、個人と故人をつなぐだけでなく、個人と企業や個人と行政との間を取り持つといったある種の「橋渡し」としても機能します。
終活カウンセラーが考えるべき事柄は、自身を含めた相談者の数だけあると言えるでしょう。そのため終活カウンセラーは単に個人のお悩み相談として誰かの心の拠り所になるだけでなく、特に1級以上では様々な人の相談に乗れるよう、葬儀の流れや宗派の違いに応じた作法、葬儀や死後の手続きにかかる費用の目安、エンディングノートの書き方などを把握した上で、その地域における自治体の制度や仕組み、介護関連や保険関連の対処法、相続や税金に関する諸手続といったテーマについても意識を向けなければなりません。
古今東西のあらゆる人において、死というものは人生の最期に必ず訪れるものですが、一方で誰もが常に自らの死や最期をきちんとイメージできるとは限りません。終活カウンセラーはそのような時に、それぞれの人の心や人生そのものに向き合い、寄り添いながら、一緒に「納得できる終活」の仕方や環境を考えていくことが本質となります。
前述したように、終活カウンセラーは「一般社団法人終活カウンセラー協会」が認定している民間資格であり、資格の等級としては「2級・1級」に加えてカウンセラー育成に携われる「協会認定終活講師」の3段階が存在します。
終活カウンセラーの資格取得を目指す場合、まずは2級の取得からとなっており、2級終活カウンセラーは例えば以下のような対応が可能です。
2級終活カウンセラーは終活について基礎的な知識を備えた上で、主に自分や家族の悩みや生活に向き合うことが基本となります。なお、他人のエンディングノートの作成サポートなどを行うには1級終活カウンセラーが必要とされる点に注意してください。
2級終活カウンセラーを目指す場合、自分のエンディングノートを書くための知識などがまとめられた専用テキストを使って、約6時間の講習を受講した後に検定試験(筆記試験)が行われ、試験に合格すれば資格取得となります。なお、受講や検定試験は試験会場で受けるだけでなくインターネットを使った通信講座(オンライン講座)も可能ですが、試験自体は専用の解答用紙を使った筆記試験(解答後に郵送で提出)となります。
2級の受験資格は特になく、意欲があれば誰でもチャレンジしやすいことも特徴です。
1級終活カウンセラーの受験については2級取得が受験資格となります。
少子高齢化が加速している現代において、終活は決して高齢者だけが考えるものでなく、現代ではむしろ若年層でも「死」について考える人は少なくありません。日常生活の中であえて死に向き合うことで、今後の人生を一層に価値あるものとして過ごせるといった意見もあり、終活のプロとして活躍できる終活カウンセラーは今後活躍の幅が広がっていく可能性があります。
また自治体や企業の取り組みとして官民一体となった終活支援を行っているケースもあり、そのような場面でも活躍のチャンスがありそうです。
終活カウンセラーと似た資格として「終活アドバイザー」があります。
終活アドバイザーは、NPO法人ら・し・さが運営する「終活アドバイザー協会」によって認定される民間資格であり、資格取得者は他人のエンディングノートの作成についてアドバイスを行ったり、終活に関連した相談に対応したり、企業や専門職、自治体などと相談者をつなぐ橋渡しとして活動するなど様々な活躍の機会を得られることが特徴です。
終活アドバイザーの資格取得には、インターネット講座を受講して検定試験に合格することが必要であり、性別や年齢、学歴などにかかわらず誰でも受験できることがポイントです。
終活カウンセラーが2級や1級の区別を備えるのに対して、終活アドバイザーはそれ自体が単独の資格となっており、自分が終活についてどのように向き合っていきたいのかを踏まえて資格を比較することが肝要でしょう。
終活カウンセラーのやりがいを考える上で、まず誰のための終活に向き合いたいのかを意識することが大切です。
2級終活カウンセラーは基本的に自分のエンディングノートを書くための基本資格であり、向き合うべきは自分の心や家族、友人といった身の回りにいる人々になります。そのため、2級終活カウンセラーにとっての最大のやりがいは、自分を含めた大切な人々と改めて誠実に向き合い、生きている間により深い心のつながりを築いていけることかもしれません。
一方、1級終活カウンセラーは死や終活について悩みを抱える人々に寄り添い、その人生を支えていける専門家であり、より広い世界で多くの人生や死生観に向き合いながら、今を生きる人々の笑顔や日常の幸せをサポートしていけることがやりがいとなります。
終活カウンセラーに向いている人は、死について自らの意思で考えようと思えるだけでなく、遺される人々に対しても想いを向けられるホスピタリティを備えた人であるでしょう。また今後の日本社会の流れを先取りして、誠実な姿勢でプロとして葬儀業界や人の死へ寄り添っていこうとする人にも適性があると考えられます。
その他にも、何歳からでも新しいことに挑戦したいという好奇心や知識欲のある人にもおすすめです。
以下のページでは実際に葬儀業界で働くプロとして、当メディアの監修企業でもある葬儀社「セレモニア」で活躍している方々をインタビューしています。現場の人々が何を思い、どのようなやりがいを感じているのか、ぜひ当人の声を確かめてください。
死や終活という言葉を聞くと、どうしても人生の終わりや最期をイメージする人も少なくないでしょう。しかし実際に旅立ちの時を迎えるまでの間も毎日は続いており、その中で生きながら自分や大切な人の心に向き合うことこそが「終活」の本質です。
終活カウンセラーは終活について学ぶ専門資格であると同時に、今を生きる人にとって命の尊さや残された人生の価値を再発見できるようサポートする仕事であり、いざその時をきちんと迎えられるように抽象的な悩みから具体的な手続きまで適切に対応できる「生き方のプロ」と考えられるかもしれません。
なお、葬儀業界では終活カウンセラーの他にも様々なプロフェッショナルが活躍しています。当サイトのスポンサーであるセレモニアは、川崎市に多数の式場「平安会館」を持つ地域密着型の葬儀社であり、長年の経験を活かして葬儀をトータルで担当できる専門人材の育成や葬祭ディレクターなどの資格取得のサポートに力を入れています。
当サイトでは葬儀の仕事について、プロの視点から分かりやすくまとめた記事がいくつもありますので、興味を抱かれた方はぜひ参考にしてください。
セレモニアは昭和24年から続く、川崎市に多数の式場「平安会館」を持つ地域密着型の葬儀社です。
長年の経験を生かし、葬儀をトータルで担当できる人材の育成や葬祭ディレクターなどの資格取得のサポートに力を入れています。
社員一人ひとりの想いに応える、風通しの良い社風が魅力です。