葬儀社のスタッフとして働く中で活かせる資格には、さまざまなものがあります。こちらの記事では、資格を取得するメリットに加えて、取得がおすすめといえる資格についてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
葬儀業界に関連する資格の多くは民間資格であるため、葬儀社のスタッフとして仕事をする上では必ずしも資格を取得する必要はありません。しかし、資格取得によって得られるメリットはさまざまなものが考えられます。ここでは、葬儀社のスタッフが資格を保有するメリットについて見ていきましょう。
資格を取得するために学ぶことによって、葬祭に関する専門知識を深められますので、実際の業務においても役立つスキルを磨けます。さらに学んだ内容を業務に活かせれば、時代に合った葬儀を行うことにもつなげられます。
多くの葬儀社では、葬祭ディレクターの資格を持つスタッフを配置していますが、そのほかにもいくつかの資格の取得によって、仏事や葬祭のエキスパートとして活躍の場を広げることにもつなげられます。
専門的な知識の習得は、自身のキャリアアップにつながる点もメリットのひとつです。葬儀社によっては、資格取得を推奨しており、資格手当が用意されているところもあります。そのような葬儀社であれば特に、スキルアップとともに収入のアップにつなげられます。
もちろん資格の取得によって社内での信頼性も高まるため、ポジションアップを目指すことも可能であるといえます。
葬祭に関連する資格の取得によって、葬儀業界の関係者だけではなく、ご遺族からの信頼性の向上にもつながります。資格団体の中には、資格を取得するとカードの発行やポスターの配布などを行っているところもあり、配布物があることによって信頼性を高められます。一例として、「仏事コーディネーター」と呼ばれる資格がありますが、この資格は仏事や仏具に関する専門的な知識を持っている点を証明できる資格であるため、例えばお客様から相談を受けた際にも安心感を与えられるはずです。
このように、専門的な資格の取得は、周りの人からの信頼感を得られるといった面でもメリットがあるといえます。
葬儀に関する資格はさまざまなものがあります。ここでは、葬儀社のスタッフとして注目しておきたい資格を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
葬儀社のスタッフとして働く上で、普通自動車第一種免許(普通免許)は持っておくべき資格の一つです。多くの葬儀社では、故人を病院やご自宅から葬儀会場へ搬送する寝台車の運転や、火葬場までの霊柩車の運転を任されることがあり、普通免許が必須となるケースが多くあります。
また、葬儀の打ち合わせや手続きのために、ご遺族宅や関係各所へ訪問する機会も少なくありません。
「霊柩車の運転には普通自動車第二種免許(二種免許)が必要なのでは?」と疑問に思うかもしれませんが二種免許が求められるのは、有償で旅客を運送する場合のみです。ご遺族が霊柩車に同乗することはあっても、料金を受け取る形ではないため、二種免許は不要とされています。
葬儀業界で働くにあたって取得が推奨されている資格です。中には、従業員全員が葬祭ディレクターの資格を保有している葬儀社もあります。
こちらの資格には1級・2級があり、それぞれ葬儀に関するさまざまな知識・技能・実務経験が求められます。葬祭ディレクターは、ご遺族に寄り添うこの仕事の中核を担う、まさに専門家といえる資格です。より詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
一般社団法人終活カウンセラー協会により認定される資格であり、終活に関する知識を持つとともに、相談者の困りごとに対してしっかりと話を聞くことができるスキルが求められます。こちらの資格には1級と2級がありますが、2級は自分でエンディングノートを書けるレベル、1級は他の人にエンディングノートの書き方を教えられるレベルが求められます。
ここでは上記でご紹介した資格以外にも、葬儀に関連する資格を紹介します。
一般財団法人日本納棺士技能協会によって主宰されている民間資格であり、映画の影響によって広く知られるようになった資格であるといえます。納棺師は、ご遺族が故人と穏やかな別れの時を迎えられるように、身支度を整えて納棺することが主な役割といえます。その中では、故人の体を洗い清める湯灌や、死装束の着付け、髪を整えて化粧を施して元気だった頃の姿に近づける死化粧などを行います。
納棺の儀は故人と遺族にとってとても大切な儀式であるため、儀式を担当する人物がしっかりとした技量を持っている点を証明できるこの資格を取得することは、非常に大きな意味を持つといえます。
一般社団法人日本遺体衛生安全保全協会(IFSA)の認定校で取得ができる資格です。
遺体衛生保全士とは、「エンバーマー」とも呼ばれる資格です。ご遺体の腐敗を防ぐための処置や体の修復などを施す役割を持つとともに、故人の尊厳を守り、ご遺族の喪失感を少しでも和らげる役割も持っています。近年では海外への遺体移動の増加も見込まれる状況もあり、今後はより需要が高まってくる資格であると考えられています。日本では、阪神淡路大震災以降注目を集めている資格であるものの、有資格者の数が限られており人手不足が深刻な状況となっています。
2004年に新たに創設された資格であり、仏事コーディネーター資格審査協会が主催しています。仏壇や仏具、仏事に関する知識に基づいて審査が行われますが、実務経験者を対象とした資格となっています。
仏事コーディネーターの役割は、利用者の仏事や仏壇などに関する悩みの解決とサポートです。仏具店や仏壇販売店などで特に活かしやすい資格ではあるものの、葬儀社においてもアフターフォローの担当者として仏具などに関する相談への対応を行う場合もあります。
お墓に関する相談への対応や、石材に関するアドバイス、実際にお墓を建立する際の手配・アフターフォローが役割となっているため、お墓の建立を検討している人に対して、専門家としてサポートを行います。この資格の取得により、お墓に関して高い専門性を持つことを証明できますが、取得者が少なく希少性が高い資格とされています。お墓ディレクターが在籍している事業所では、有資格者が在籍していることを示すマークを表示できます。
仏教葬儀の決まり事や作法、葬儀の手順などについての知識を持ち、適切に提案を行える点を証明できる資格です。地方都市などでは、その土地に根付いた仏教葬儀に関するアドバイスが必要になることがありますが、仏教葬儀アドバイザーの資格を持つことによってそれぞれの地域の伝統やしきたりについて知識がある点を証明しやすくなるため、信頼関係も築きやすくなります。
一般社団法人葬送儀礼マナー普及協会によって主宰されている民間資格であり、葬儀やお墓、供養などに関するマナーや作法について知識を高められる資格となっています。こちらの検定では、葬送儀礼が持つ本来の意味やあり方についてしっかりと理解し、後世に伝えることを重視している点が特徴です。
また、遺族にとって葬送儀礼はどう対応していいかわからないことも多くあります。そのような場合にも、適切なマナーや作法についてアドバイスやサポートを提供できます。
従来の資格に加え、近年の社会変化に対応する新たなスキルが求められています。例えば、オンライン葬儀の普及に伴うデジタルスキルは必須となりつつあります。また、終活支援はより高度化し、葬儀だけでなく介護や相続まで見据えた包括的な知識が評価されるようになりました。
さらに、感染症対策や国際化を背景に、遺体衛生保全士(エンバーマー)の専門性が一層注目されるほか、ご遺族の心を支えるグリーフケアや、環境に配慮した自然葬への関心も高まっています。これらのトレンドを把握しスキルを更新し続けることが、時代に選ばれる専門家への道筋となるでしょう。
この記事では、葬儀社で働く上で役立つ様々な資格をご紹介しました。
多くの資格がありますが、ご遺族に寄り添い、故人様とのお別れの場を支える中心的な存在は「葬祭ディレクター」です。
もし、この記事を読んで「葬祭ディレクター」という仕事に少しでも興味が湧いたなら、次の一歩の選択肢としてさらに深く知ってみませんか?
セレモニアは昭和24年から続く、川崎市に多数の式場「平安会館」を持つ地域密着型の葬儀社です。
長年の経験を生かし、葬儀をトータルで担当できる人材の育成や葬祭ディレクターなどの資格取得のサポートに力を入れています。
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