新卒としての就職先に葬儀の仕事を選んだ先輩たちにインタビューをしました。当サイトの監修元であるセレモニア(平安会館)の社員に協力をいただき、なぜ葬祭業を選んだのか、仕事のやりがいや大変なこと、将来の目標などをお聞きしました。就活の際の参考にしていただければ幸いです。
セレモニアは昭和24年から続く、川崎市に多数の式場「平安会館」を持つ地域密着型の葬儀社です。長年の経験を生かし、葬儀をトータルで担当できる人材の育成や葬祭ディレクターなどの資格取得のサポート
に力を入れています。
今年で26歳を迎える上杉さんは、和光大学 現代人間学部出身。平安会館みやうちに勤務しており、日々お客様の幸せのために働いています。
大学では専攻がジェンダー関係で、今で言うLGBTなどを学んでいた上杉さん。教員課程も途中まで履修しており、学校生活におけるLGBTの問題なども学んでいた彼女がなぜ葬祭業へと就職したのか、お伺いしました。
――インタビュアー
葬儀業界へ興味を持ったきっかけを教えてください
――上杉さん
今の仕事である「葬儀」はジェンダー的な目で見るとすごく古いものだと思うんです。日本人に、結構深く根付いてしまっているところがあるんですよね。そういった面を仕事を通して知りたいというのもありましたし、何か今までの経験を取り入れていけるのだったらやってみたいと思い、冠婚葬祭関連の仕事を探すようになりました。
――インタビュアー
では、セレモニアへ就職したきっかけを教えていただけますか
――上杉さん
セレモニアは川崎市にしかない葬儀業者で、川崎市外への転勤がないというのが最初のきっかけでした。ずっと神奈川県に住んでいて、なるべく遠くへは行きたくないと思っていたので、仕事も実家から通える範囲で探していたんです。
正直に言うと、冠婚葬祭に興味はありましたが、葬儀の仕事だけに就きたいと思って就活をしていたわけではないんです。でも、セレモニアは子供写真や成人式に関する部門、それに葬儀ひとつでもお花とか物流などの部門もあるので、何かしらの役には立てるかな…と思いこの会社を選びました。
――インタビュアー
入社直後の思い出や、入社前で印象が変わったことなどありますか?
――上杉さん
葬儀社へ入社をする段階で、すでに祖父母の葬儀を経験していたからか、「死」を扱う葬儀という仕事への抵抗感は意外なほどなかったと思います。
入社して最初の印象は、「知識的な勉強が結構あるんだな」ということです。時代によって葬儀のやり方なども違いますし、座学的な内容を覚えることがとても多いです。自主的な勉強が必要不可欠だと感じました。
ただ、「葬儀の間はずっと神妙な面持ちをしていないといけないのかな」「あまりテンション上げたらいけないのかな」という思い込みがありましたが、意外とそんなことはなくて。もちろんお客様にもよりますが、葬儀の打ち合わせの場でも結構笑いが起きるなど、意外と気軽にお話しできる仕事なんだということに、ちょっとホッとしました。ある意味でギャップといいますか、常識が覆ったような印象です。
――インタビュアー
上杉さんがお仕事の中で特に大切にしていることはなんでしょうか?
――上杉さん
葬儀というのはやり直しがきかないので、お客様に後悔がないように、しっかりお手伝いできたらな、とは常々思っています。
ときには後から謝らなければならないことが起きたりもするんですが、できるだけそういうことがないように、良かったなって最終的に思っていただけるように、お話しやサポートができるよう努めています。
ご遺族にとって葬儀の打ち合わせって、喋る元気も正直ないと思うんです。なので、尋問みたいにならないようにしつつ、小さなニーズもできるだけ引き出せるよう、お話をしっかり聞くようにしています。納得して、スッキリした状態で打ち合わせを終えて欲しい、葬儀も終えて欲しいな、っていう風に思っています。
――インタビュアー
上杉さんにとっての、葬儀の仕事のやりがいはなんでしょう?
――上杉さん
葬儀の仕事って、どれだけお客様に満足して帰っていただいても、「また来てくださいね」「またお会いしましょうね」っていうのはこちらからは言えないんです。どんなに信頼関係が築けても、こちらから次に会える機会を作れることはあまりありません。
そんな中で、お客様から葬儀の後のご相談とかで頼っていただいたり、どなたかが亡くなられたときに「以前、上杉さんに担当してもらったから今回もお願いできるかな」みたいなお話をいただけると、すごく満足してもらえたんだなと思えます。そこが一番のやりがいになりますし、すごく嬉しいですね。
――インタビュアー
特に思い出に残っているエピソードはありますか?
――上杉さん
以前、葬儀を担当させていただいた方のご主人がお亡くなりになって、また上杉さんに…という話をいただいたんです。ご主人様も亡くなる前から言ってくださっていたようで、「指名みたいなことってできるのかな」みたいな話をしてくださっていたんですよ。
ただ、私がちょっと仕事を1ヶ月くらいお休みさせていただく期間があったんです。その間、ご主人のご容体は芳しくなかったようなのですが、私が仕事に復帰して3日目くらいに、お亡くなりになったというお電話をいただいたんです。
私が復帰するタイミングはハッキリ言っていなかったので、お電話で「上杉さん戻って来てたんだ、良かったー!」と言ってくださって。ご葬儀も無事に終えることができました。その後も、ご周忌ですとかいろんな機会をいただきまして、どんな小さなことでも私を頼って聞いてきてくださるのはとても嬉しいですね。
――インタビュアー
上杉さんが現在取り組んでいることや、勉強していることはなんでしょうか?
――上杉さん
外部研修なるんですけど、ヒアリング研修みたいなものを受けさせてもらっています。チャレンジしたいというか、今後身につけていきたいと思っているのも、そのコミュニケーションについてです。
やっぱりこの仕事で接する方って、ふた回り以上年上の方が多いんです。ただ、私も年齢が上がっていくにつれて、世代も若干近くなってきたりしているので、落ち着いて仕事をしないとなと思いまして。新人らしさみたいな部分はもう卒業しないといけないな…というのは常々思っています。
――インタビュアー
上杉さんが目指す将来の自分の姿を教えてください
――上杉さん
まず、先輩として頼れる人になりたいと思っています。今後ずっとここで働いていれば、後輩は増えていくわけです。その中でも、後輩に「あの人に聞いてみよう」と思われる存在になりたいな、というのは目標として持っています。
そのためには知識的な部分はもちろんですが、話しやすいなと思われる雰囲気作りと言いますか、ストレスなく仕事ができる環境を作っていきたいと思っています。
セレモニアは昭和24年から続く、川崎市に多数の式場「平安会館」を持つ地域密着型の葬儀社です。
長年の経験を生かし、葬儀をトータルで担当できる人材の育成や葬祭ディレクターなどの資格取得のサポートに力を入れています。
社員一人ひとりの想いに応える、風通しの良い社風が魅力です。