新卒としての就職先に葬儀の仕事を選んだ先輩たちにインタビューをしました。当サイトの監修元であるセレモニア(平安会館)の社員に協力をいただき、なぜ葬祭業を選んだのか、仕事のやりがいや大変なこと、将来の目標などをお聞きしました。就活の際の参考にしていただければ幸いです。
セレモニアは昭和24年から続く、川崎市に多数の式場「平安会館」を持つ地域密着型の葬儀社です。長年の経験を生かし、葬儀をトータルで担当できる人材の育成や葬祭ディレクターなどの資格取得のサポート
に力を入れています。
平安会館わたりだにお勤めの杉山さんは、東洋英和女学院大学 国際社会学部出身の25歳。趣味は推し活で、男性アイドルの他に高嶋ちさ子さんの12人のヴァイオリニストという活動のコンサートにも足を運んでいるなど、幅広いジャンルに興味をお持ちです。
学生時代は居酒屋や塾の講師、スーパーなど、たくさんの接客業のアルバイトをしてきたという杉山さんが、葬祭業へどのようなやりがいを見出しているのか伺いました。
――インタビュアー
葬儀業界へ興味を持ったきっかけを教えてください
――杉山さん
大学時代はアルバイトを掛け持ちでやっていまして、4年間通して居酒屋のバイト、1~2年生の頃に塾の講師、3・4年生でスーパーのレジ打ちをやっていました。
居酒屋のアルバイトに関しては、バイト責任者も担当していましたね。店舗にバイト責任者は4人いたんですが、やっぱりみんな学生で勉強もあるので、基本フルでずっと入っていた私が新人の教育でしたり、店長が休みの日はお店の責任者となったり、ほとんど社員と同じような感覚でバイトの面接などもしていました。その仕事をやっていくにつれて接客が楽しくなり続けていました。
ただ、とくに葬儀業に来る予定はありませんでした。私は親が農協勤務だったので、そのまま自分も農協へ入ろうかと思っていました。でも、学校のキャリアサポートの方に「1本で絞るのは危ないから、もうひとつ職種を探しなさい」と言われまして。
そこで思い出したのが、中・高校生の頃に亡くした祖父母の葬儀です。農協でも葬祭業をやっているので、面接を受ける前の練習として葬儀会社を受けてみようかな…くらいの気持ちでした。
――インタビュアー
では、セレモニアへ就職したきっかけを教えていただけますか
――杉山さん
初めて参加した説明会がセレモニアで、説明会ってすごく堅苦しいものだと思っていたんです。
その時の説明会では、セレモニアでは冠婚業もやっているのですが、結婚式の白無垢体験をやったんです。参加者の中から男女1人ずつ指名されたので、当たり前のように衣装を着て出てくると思っていたら、男女逆の衣装を着て出てきたんですよ(笑)。それがすごく印象に残っていて。参加者側はみんなドン引きだったんですけど、社員さんがすごく楽しそうにしていて、「いいなこの会社、面白そうだな」と。それが一番のキッカケですかね。
もちろん、一生なくならない仕事だからというのもあるんですけど、説明会のインパクトというか雰囲気というのがかなり大きかったです。楽しい就活といいますか、会社のムードが伝わってくるような感じで、そういう部分に惹かれて最終的にセレモニアに決めました。
――インタビュアー
入社直後の思い出や、入社前で印象が変わったことなどありますか?
――杉山さん
葬儀の仕事に就く人って「固い人が多いのかな」「あんまり遊ばない人が多いのかな」とか、真面目な人のイメージしかなかったんですが、入ってみたらかなり明るい人が多くて。お客様にも「おかあさんダメだよ~~」なんて言ってる先輩もいて。フレンドリーでフランクなんですが、お客様1人ひとりに合わせて接客できているので、そこは本当にうまいなと思います。
私は居酒屋でバイトをしていたので、とりあえず明るくやっとけば何とかなるかな…みたいな感じだったんですが、やっぱり葬儀っていうのは「自分が女優になった気持ちで接客しなきゃいけない」ということは凄く感じましたね。いつもの自分ではなく、葬儀の仕事をしている自分になりきる、という感じです。
――インタビュアー
杉山さんがお仕事の中で特に大切にしていることはなんでしょうか?
――杉山さんポーカーフェイスと、女優になるというのは常に意識しています。知識についてはみんなゼロからのスタートなので、それは仕事の中で覚えていけば大丈夫なんですが、やっぱり葬儀の仕事ってかなりイレギュラーが多いんですよ。お仕事の入り方もいろいろですし、お客様が立たされている状況もさまざまです。
そういうイレギュラーに対して私が慌ててしまったら葬儀が台無しになってしまうこともあるので、どんなことが起こってもポーカーフェイスで、状況に合わせて女優になりきるということは意識して仕事をしています。そのために、もともと心理学が好きだったので行動心理学なども少し勉強し直しました。
――インタビュアー
杉山さんにとっての、葬儀の仕事のやりがいはなんでしょう?
――杉山さん
多分誰もが言うと思うんですけども、「ありがとう」って言われることにやりがいを感じます。大きい葬儀をこなしたからすごいというワケじゃなくて、大きな葬儀ができてもクレームがあったら意味がないですし、満足できていない人がいても意味がないと思っています。ひとつひとつの葬儀の質を高めることが大切ですね。
お客様から花束をもらってしまうくらい感謝されることがあったり、終わったあとに直筆でお手紙をいただいたりすることもあって、そういうのがあると「大変だったけど頑張って良かったな」と思います。
――インタビュアー
特に思い出に残っているエピソードはありますか?
――杉山さん
先ほど、お客様から花束をもらったという話をしたんですが、そのご家族は無宗教で、お寺さんなどが来ない葬儀だったんです。
やりたいことが多いほど準備が大変で、写真をいっぱい準備してアルバムを作ったり、手紙を書いたり、花を作らなきゃいけないなど、お客様もかなり苦労をされたんです。私も休みを変更するくらい打ち合わせをしたご家族だったんですね。
70代の旦那様が亡くなって、60代の奥さまと男性3人の兄弟がいらっしゃったんですが、お互いあまり話すことはなかったそうで。でも、亡くなった旦那様の病気をキッカケに、ご兄弟が少しずつ話せるようになったのが葬儀の場だったとうかがいました。
最終的には、ご兄弟が奥様を支えるために協力してくれて、家族が揃った瞬間が見られて本当にうれしかったですと奥様が言ってくださいました。それで、ご兄弟のうちのお1人が私に「ありがとうございました」と、お花をくださったんです。これはとても心に残っています。
――インタビュアー
杉山さんが現在取り組んでいることや、勉強していることはなんでしょうか?
――杉山さん
葬儀が終わった後に「杉山さん」って、ちゃんと名前を覚えてもらえるような人になりたいです。
意外とお客様って、「お姉さん」とか「葬儀屋さん」って呼ぶことが多いんですよ。なるべくこちらの名前を強調したり、覚えてもらえるようチャレンジはしているんですが(笑)。それをやらずとも、「杉山さんなら大丈夫だね」「何かあったら杉山さんだよ」と言ってもらえるようになれればいいな、なんて思ってます。
――インタビュアー
杉山さんが目指す将来の自分の姿を教えてください
――杉山さん
塾の先生をやっていたくらいなので、教えることが好きです。なので、研修などにちょっと興味があります。研修制度はあるのですが、もっと体系化していきたいと思うところはあります。
ですので、いまはまだまだお客様と触れ合うこの仕事を続けていきたいです。ですが、もし施行から外れるのであれば、新人教育とか後輩育成に特化した部門にいきたいなとも思っています。まだ、そういう部門はないんですけど(笑)ないならば、私がつくりたい!という気持ちです。
セレモニアは昭和24年から続く、川崎市に多数の式場「平安会館」を持つ地域密着型の葬儀社です。
長年の経験を生かし、葬儀をトータルで担当できる人材の育成や葬祭ディレクターなどの資格取得のサポートに力を入れています。
社員一人ひとりの想いに応える、風通しの良い社風が魅力です。